草迷宮
映画化されてたのか…
幼い頃に今は亡き母から聞いた手鞠唄の忘れてしまった歌詞を求めて全国を彷徨う青年と三浦半島・大崩れの近くの秋谷邸に棲む妖怪と美女(たおやめ)の物語。物語は途中で人物、場所、時間が飛びまくりなので登場人物の特徴を掴むまでは気がつかないうちに別の話になっていたりして混乱することが多くて困った。「草迷宮」が発表されたのは明治41年。古き美しき日本語の表現が楽しめる。美女(たおやめ)が美女(びじょ)では興醒めなのです。特に最後に座敷で繰り広げられる手鞠つきの情景、無数に舞う手鞠と紅葉が行燈の灯りに照らし出される描写は秀逸。
草迷宮 / 泉鏡花
岩波文庫 ISBN4-00-310274-6