おもいでエマノン
数時間も数十年間も同じ刹那の時間の話
熊本生まれのSF作家、梶尾真治の名作、「おもいでエマノン」のコミック化。絵は小説の挿絵も描いているほどこの作品に思い入れがあるらしい鶴田謙二。先に小説を読んでいて挿絵も鶴田謙二だったからだろうか、初めて読むのに初めての感じが全くしない。自分の中でエマノンのイメージが出来上がってしまっているらしい。一般的に梶尾真治といえば「黄泉返り」の作者だけど、自分にとってはやっぱり「おもいでエマノン」の梶尾真治。1983年の作品でさすがに古い表現は多いけど今でも新鮮な作品。人の思いを乗せた時間SFの原点がここにある。日本人なら一度は読んでおくべき本だと思う。