つゆのあとさき
1年くらい前に購入。梅雨になったんでちんたら読んでたら読み終わる頃には梅雨が明けてた。短い小説なのになあ。ストーカー被害に遭いながらも男を渡り歩く逞しい君江さんの日常を切り出したお話。時代は昭和初期だろうか。銀座のカフェーなど東京の風俗が生々しく描かれているところが荷風らしい。物語は出だしから後半まで気怠く流れるが、ストーカーの正体判明と刑務所帰りのオジサンの死の書き置きで急展開。でもここで終了。物語のキーのように見えたストーカーはどうでもよかったのね。書き置きを見たあと彼女はどうしたんだろうか。